「リスク」とは
遺族への保障以外にも、私たちの身の回りには様々なリスクが存在しています。
そのリスクに備える正しいステップを身に付けることで、先述の遺族保障額のほかにもムダ・ムラ・ムリの排除が可能となります。
そもそもリスク(risk)とは将来への「不確かさ」と、その「影響」のことをいいます。
日本ではリスクという言葉は「危険」あるは「危機」という意味で使われることが多いのですが、危険には「Danger」「Hazard」、危機には「Crisis」という英訳が存在します。
米国の経済学者であるフランク・ナイトはリスクを次のように定義しています。
『リスクとは不確定なことについて確率的に計測できるもの』
(フランク・ハインマン・ナイト(Frank Hyneman Knight)1885年-1972年
米国の経済学者。「ナイトの不確実性」という概念の提唱者として知られる。)
つまり、リスクは不確定な要素を事前に測定できるものであるため、「事前に測定して備えることができるもの」と考え、その備えには適正なステップが存在します。
「保険に加入する前」に行うこと
保険に加入するという「手段」を選択するかどうかを決定する前に、リスクという不確定な要素を事前に測定し、なおかつそのリスクに備えるという「目的」を果たすためには3つのステップが存在します。
①発見→ ②予防→ ③保有もしくは④移転という3段階を順に進むことによって、ムダ・ムラ・ムリを無くすというプロセスです。
まずは、①身の回りのリスクを洗い出すことによって、ムラなく不確定な要素に備えることです。
遺族への備えは万全でも、長生きへの備えが脆弱ではすべてのリスクに備えたとは言えないものです。
次に②費用をあまりかけずに回避できるリスクは予防することで対処します。
例えば、風邪や虫歯に対して、保険を掛けたり、虫歯貯金をしたりすることはあまり得策とは思えません。
それよりも、手洗い・うがいや、歯磨き・歯間ブラシなどの習慣を徹底する予防のほうが効果的と言えます。
最後に、③時間をかけて財産や資産を築くことで対応できるリスクと、④即効性が必要なリスクに分類し、前者は保険以外での準備、後者は保険を最大限活用します。(後述のリスク分布図で詳しく解説します)
リスクは発見・予防・保有・移転のステップを踏むことで
ムダ・ムラ・ムリを省くことができる。