「マイナスのある運用」と「マイナスのない運用」
キャピタルは、資本という意味で用いられることが多いのですが、資金・元金の意味も含まれ、キャピタル・ゲインとは、資産を売買することによる売買差益で得ることができる利益のことを言います(一時所得や譲渡所得など)。
シンプルに考えると、株や不動産などの財産を安く買い、高く売ることで得られる利益のことを言います。
キャピタル・ゲインによる利益を狙った場合、大きな利益を得られる可能性がある一方で、投資元本自体が減ってしまうため、損失(キャピタル・ロス)を被るリスク及び金額が大きいことが特徴です。
日本人の多くは、キャピタル・ゲインのことを資産運用だと認識して、「資産運用で損するのは嫌」と考えているようです。
一方、インカムは定期的に入る収入、所得という意味で、インカム・ゲインとは、資産を保有することによって得られる利益のことを言います(利子所得・配当所得・不動産所得など)。
保有するだけで、定期的な収入が期待でき、なおかつ投資元本が減りづらい特徴があるため、比較的安全な運用ですが、得られる収入額は少額で、より多く回数を重ねることで稼ぎを得る運用です。
「貯めて使う習慣」は、元も子もなくなる
大切なのは、貯めるとき、殖やすとき、稼ぐ時よりも、
その財産・資産を「使う時」に
①元金や利殖部分も取り崩すのか、
②利殖部分だけ活用できるのかということです。
キャピタル・ゲインを目標にする資産運用や積立においては最終的に資金を使う段階で、「元利合計額」を引き出して使うことになります。
その際、元金部分を差し引き、増えた部分に課税されるので、「課税の繰り延べ効果」と称し、節税効果をうたっているケースが多いのですが、課税の繰り延べ=課税先送り=問題先送りとも取れるので、商品購入時に都合がいいだけとも言えます。
そもそも元金部分と利子を同時に取り崩すのですから「元(金)も(利)子もない」のです。
一方、インカム・ゲインを目標にすると、株券や不動産などの元本は据え置きにした状態で配当所得や不動産所得を得られるため、元本を引き出さずに利殖だけを受け取ることができます。
株券は、株式会社に資金を貸し出し、不動産は、土地や建物を貸し出す仕組みですから、いずれもレンタルの仕組みだと言えます。
このように、貯めて使うのではなく、貯めたら貸す、レンタルの仕組みを積み上げていくことがちょうどいいお金持ちへのステップなのです。
値上がりを目標にするのか、定期的収入を目標にするのか。
ちょうどいいお金持ちはレンタルの仕組みを積み上げている。