分散投資の効果
想像してみてください。手のひらをボールペンでつつくと、結構な痛みが走ります。
しかし、両手で思い切り拍手をしても、ボールペンほどの痛みはありません。
これは、矛と盾の関係です。
言うまでもなく、分散投資は「盾」の状態で、戦いにおいてその身を守る道具です。
それに反して、集中投資は「矛」の状態で、戦いにおいて相手に攻撃を加える道具です。
このように分散投資は、大きな損失を避け、中長期で資産を殖やしていく運用手法です。
「すべての卵をひとつのカゴに盛るな」という運用の格言がありますが、卵をひとつのカゴにだけ盛ると、そのカゴを落とした時に全部割れてしまうので複数のカゴにわけておく必要があるという、分散投資の必要性を述べた言葉です。
また、1つの銘柄に集中投資する場合は、売買タイミングが重要になり、短期的な価格変動に合わせて取引する必要があるのに対し、分散投資では、長期的な価格上昇を意識して行うため、売買タイミングをあまり気にしなくても済みます。
つまり、分散投資は長期的に安全性を高める運用手法であると言えます。
具体的には、地域や資産クラス(債券・株式・不動産など)や時間も分散(定時定額購入)すれば、長期での世界経済の発展を利益にできる可能性が高まります。
分散投資の「欠点」
集中投資と分散投資と分類されることが多いのですが、時間とお金は密接な関係を持っているので、ここに時間を加えると正確には「短期集中投資」と「長期分散投資」と言うことができます。
長期分散投資は文字通り、①短期的なリターンの獲得には向きません。さらに分散することで ②リスクを減らすことができますが、その分リターンも減ります。
また、短期集中投資(デイトレードなど)は銘柄の平均仕入価格が重要ですが、長期分散投資は、森に種をまいて様々な種類の木々を育てる運用なので、③その木々の占める割合(バランス)管理が手間となります。
分散投資は安全性を高める運用と言えるが、
利殖性は低下し、時間と資産バランスの管理が必要である。