「証券口座」を持つ
特定口座とは、投資家が簡易的に確定申告・納税を行うことができる口座のことです。
株式や投資信託などで利益(譲渡益・分配金など)が出たときは、その利益に対し、原則として20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)課税されます。(2019年8月現在)
投資にかかる税金は、原則自分で計算して確定申告・納税しなくてはなりません。
しかし、特定口座を選択すると、証券会社が株式や投資信託などの売買で発生した利益(または損失)を計算し、1年間の取引内容をまとめた「年間取引報告書」を作成してくれます。
また、特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、「源泉徴収あり」を選択すると、証券会社が所得税・住民税を源泉徴収し、投資家の代わりに税金を納めてくれるので、確定申告する必要がありません。一方、「源泉徴収なし」は、証券会社が作成した年間取引報告書をもとに、投資家が自分で確定申告・納税を行います。
一般口座とは、税金の手続きをすべて自分で行う口座のことです。
一般口座を選択すると、自分で取引をすべて記録し、その記録に基づいて自分で確定申告・納税をしなくてはならないので、手間がかかります。
「投資対象別」の分類
投資信託を選ぶ際には、初めに「目論見書(もくろみしょ)」を読んでその投資先を確認します。
くれぐれも、ネーミングで選択するようなことは避けたほうがいいでしょう。
MRF:マネー・リザーブ・ファンドの略で、毎日決算を行い、安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する、公社債投資信託(株式を一切組み入れない)です。証券総合口座において、資金をいったんプールするための商品としても用いられています。
MMF:マネー・マネジメント・ファンドの略で、国内外の公社債やCP(コマーシャルペーパー)やCD(譲渡性預金)などの金融商品を中心に運用する投資信託です。リスクを少なくして安定した収益の確保を目標としています。いつでも解約できますが、30日未満の解約には信託財産留保額(解約違約金のようなもの)がかかります。
ETF:株式市場全体の動きを表す日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動することを目指すインデックスファンドです。株価指数連動型上場投資信託とも呼ばれます。
ボンド・インベストメント・トラスト:国内外の債券に投資するタイプです。「ハイ・イールド・ボンド=高い・利回り・債券」というように、カタカナ表記が多いので、慣れないうちはいちいち日本語訳したほうがいいでしょう。
ストック・インベストメント・トラスト:国内外の株式に投資するタイプです。証券業界は、株式を英語表記しません。「ストック=あまり売り買いしない」なので、売買手数料が欲しい証券会社にしてみれば、他の商品は英語表記しても、株式はそうしない理由ではないかと考えています。
リール・エステート・インベストメント・トラスト:国内外の不動産関連に投資するタイプです。
通称リートと呼ばれています。
コモディティ・インベストメント・トラスト:商品に投資する投資信託は、コモディティファンドと呼ばれ、その成績は商品先物指数の価格変動によって変化します。商品先物業者が販売している商品ファンドとは、しくみや管理されている法律が異なります。
「キャピタル・ゲイン(価値の増大)」か「インカム・ゲイン(定期的収入)」か
投資信託から得られる所得種類によって分類すると、譲渡所得(キャピタル・ゲイン)を得るタイプと配当所得(インカム・ゲイン)を得るタイプに分けることもできます。この所得は、運用開始するだけならあまり関係ありませんが、毎年の確定申告と源泉徴収の選択を行う際にとても重要な分類です。
有価証券:毎月分配型と表示されているタイプで、定期的収入(配当所得)を確保するタイプです。
累積投資:再投資型と表示されているタイプで、配当金が出ても、受け取らずに同じファンドに自動再投資するタイプです。配当金に課税されないので税の繰り延べ効果(節税ではありません)があることと、自動再投資なので、購入手数料がかからないメリットがあります。
しかし、最近の投資信託には購入時に手数料のかからない「ノーロード」というタイプも増えてきているので、前述の自動再投資の手数料がかからない効果はなくなります。
また、Aファンドから出た配当をAファンドには再投資せず、BやCと言った別のファンドへの投資をしたい場合には、毎月分配型ファンドの再投資なしを選ぶことが効果的です。
「プロに任せる」か否か
投資信託には、①小口 ②分散 ③企業調査 という特徴がありますが、③の企業調査を行い、ファンドマネージャーが投資銘柄を選んだり、よい売買タイミングを計ったりして利益を出そうとするファンドをアクティブファンドと呼びます。
それに対し、日経平均株価(日経新聞社が日本を代表する上場企業225社を選んで計算)やTOPIX(東証一部に上場している企業全ての株を各企業の時価総額の比率で組み入れる)、ダウ平均株価・S&P500指数など、インデックスと呼ばれる指数に連動させることを目指すファンドをインデックスファンドと呼びます。
ファンドマネージャーは投資のプロです。彼らは、仕事として日々相場を分析し、一般人ではアクセスできないようなアナリストの情報を活用して運用を行っているのですが、残念ながら大多数のアクティブファンドはインデックス(ベンチマーク=比較のために用いる指標)より劣っています。
もっと言えば、投資信託の中には投資元金割れのものが多いのも実情です。
プロに任せるか否かを論じるよりも、運用実績のいいファンドはどれなのかを見極める手法が必要なのです(後述)。
「定期的収入を得る分配型ファンド」の性格
以前にもキャピタル・ゲインとインカム・ゲインについてお話してきましたが、世の中の大半は積立やキャピタル・ゲインという「財産形成」ばかりを勧めて、その売り買いで手数料を稼ぐビジネスが横行していることにも少しふれました。(定期的リ・バランス時に売買が発生する)
ちょうどいいお金持ちは、売買に時間を取られたり(デイ・トレード)、価格の増減で一喜一憂したりはしません。ドンと構えて稼ぎ(インカム・ゲイン)を得ているのです。
その稼ぎである配当にも三種類の性格があるのでご紹介します。(ただし、この分類は業界では使われていません)
①払出重視型:毎月の分配金をできる限り多く払い出すことに力点を置いているファンド。
例えば、保険の契約者貸付で300万円借り入れて、貸付利率は約4%、5年で返済しようと考えたとすると、元金100%÷5年+利息=約22%となり、年間22%の表面金利で分配金を出すファンドなら元利返済が可能となります。
この手法を活用すると、借りたお金が5年後の返済完了時以降は、新たな所得を産み出す資産に生まれ変わるのです。
これは投資性不動産を借入で入手し、借入の返済終了後は不動産所得を産み出すのと同じ原理で、資産運用を資金調達で行う資本主義ならではの手法です。
さらにこの手法は、保険の契約者貸付だけでなく、あらゆる借入にも応用できるのですが、ポイントは、㋑資金調達と ㋺元利返済割合を超える分配型投資信託の選択と ㋩その維持管理です。
このタイプの弱点は、元金が目減りするファンドが多いという点です。しかし、もともと自分の財産ではない借入なのですから、払い出し重視型は資金調達ができるケースでは大変よく働いてくれるファンドだと言えます。
②基準価格重視型:予想配当定時型に代表されるファンドで、限りなく基準価額を維持する。(投資信託はその商品の運用開始時は1万口=1万円で募集開始されます)言い換えれば、利益獲得分を分配するタイプ。
そのため、毎月の分配金が一定でないこともあります。
中でも、「予想分配金提示型」ファンドは、分配金について予め詳細な分配方針を定め、その開示された方針に従って分配金の支払いを実施するため、基準価額などに応じた分配金水準と、その分配金額をある程度前もって把握できるという点から、比較的無理のない資産形成が行えます。
将来、一時金の取り崩しを予定している(リフォームやお子様の結婚資金など)場合などにも応用できるタイプです。
③価値の増大型:分配金型のファンドでありながら、分配金をあまり多く出さないため、価値の増大が起きているファンド。
新発売当時は1.0万円当たり毎月20円という設定であったと仮定すると、その後基準価額が上昇し、1.5万円当たり20円というように、追加購入する者にとっては利回りが低下しているファンドが多いのです。
定期的収入を目的としたファンドでありながら、価値の増大になっているため、、目的と合っていないタイプですが、評価機関の評価は高くなっています。
あえて使うなら、キャピタル・ゲインとして価値の増大を目的にして、配当金を貯めておいて、市場でショックが起きたときに買い増すという使い道はあるかもしれません。
投資信託は少額で財産形成や資産形成ができるしくみ。
価値の増大よりも、定期的収入を活用した資産形成により、
財産の積立ではなく、所得の積み上げが可能になる。