複利の「効果」
歴史上の天才、アルベルト・アインシュタインは「複利の発見は人類史上最大の発見である」と遺しています。が、その複利にも実はメリットとデメリットがあるのです。
単利:元本に決まった利息が加算される。
複利:元本に利息が加算され、さらに翌期には前期の元利合計額に利息が加算される。
以前投稿した「お金と時間と利回り」の関係性から、①元金が多く ②期間が長く ③利回りが高い場合、複利の効果は最大限に発揮されます。
ちなみに、成功者といわれる多くの人たちは、財産形成だけでなく、ビジネスや人脈形成においてもこの複利の考え方をうまく活用しています。
複利思考のビジネスマンは決まって「ファンから見込みのお客様のご紹介」をいただいています。
ちょうどいいお金持ちの思考と同じですが、もちろんファンの方に誠心誠意尽くしますから、その姿を見てお客様も紹介したいという気持ちになるのです。
そうでないビジネスマンは、自分だけが一生懸命頑張る単利のビジネスを行っているのです。
複利の「欠点」
複利には、超長期間に元金を据え置きしなくてはいけない欠点があります。
次に、年利に関する説明でよくあるパターンが「年平均●%」というものですが、毎年●%の利回りが同じように続くとは限りません。
たとえば、20年間で平均6%というのは、前半10年が12%で後半10年が0%。もしくは、前半10年が20%で後半10年が-8%かもしれません。
さも平均的に利回りが発生するようなイメージ図で複利効果だけを商品選択のポイントにすることは危険だということです。
また、複利の効果の反対が欠点ですから、当然ながら①資産が少ない②期間が短い金利が低い場合、その効果は小さくなります。
最後に、もし仮に、投資期間最終年度に株価や不動産価格の大暴落があったらどうでしょう?
どんなに複利効果を使って財産の価値が増大したとしても財産が大きければ大きいほど価値の下落金額は大きくなります。
つまり、資産が大きい場合、利率が下がるとダメージが大きくなるというわけです。
これは価値の増大を計るキャピタル・ゲイン投資の場合、最終的に出金してお金を使う際に元金と利殖分の引き出しを行いますが、価値の下落の影響で元も子も大きく減少している可能性があるということです。(世間一般的には、多くの金融関係者が販売時に複利の効果は絶大であるかのように説明しているので、あえて生活者が「出金するときの注意点」から検証しておきました)。
複利は金額が多く、期間が長く、利回りが高いとその効果を発揮する。
しかし、複利は変動する金利においては万能ではない。
また、キャピタル・ゲインは出金時に価値の下落の恐れがあるので要注意。